喧嘩も必然?
家族で仲良く海外旅行を楽しむ際のポイントをこれまでいくつかお話してきましたが、そうは言ってもやはり旅先で多少の衝突は起きる可能性がある、いえ、もう少し踏み込むと、起きることを覚悟しておいた方が良いでしょう。
そうなったときに自分はどう対処するかということをあらかじめ想定しておくことは大事になります。私事で恐縮ですが、少々体験談をお伝えしますね。
私が結婚前、一人でロンドン生活をしていた時に両親が遊びに来たのですが、平日私が仕事に出かけた後、両親は英語がままならないにもかかわらず、自分たちで頑張って市内観光に出かけました。
しかし二人の意見が合わずなんと別行動になってしまったというのです。結果的にはちゃんと家に帰りついてくれたので今では良い思い出話で済みますが、迷子になっていたら大変なことでした。ずいぶん前のことで当時は携帯電話もなかった時ですから。
まあ万が一そんなことになってもロンドンであればホテルに駆け込めば助けてくれるでしょうし、日系のお店も沢山ありますから、大事に至ることはまずないとは思いたいわけですが。
苦い経験こそ強い印象が
ここまで極端ではなくても、多少の衝突は結果として後々ずいぶん経ってからであれば一つの良い思い出になる場合が多いでしょう。
私の両親の場合ですと、そうかれこれ、それから20年は経っているのですが、いまでもその話が出る時があります。良い意味でも悪い意味でも強い印象が残っているということで、年月がたてば無事であれば笑い話にできます。
当時は全くそんなことには気づきませんでしたが、万が一のことまで考えておけば、その場の苦い経験も後々振り返ると良い思い出になる、ということです。
旅の思い出というのは何も有名観光地に行って見てきた、写真を撮ってきた、ということだけではないのですね。こういう自分だけの体験、家族だけの体験ということの方が実は大事なことではないでしょうか。その思い出を共有できるからこそ家族なのですよね。
楽しい思い出作りも大事ですが、苦労した思い出もよいものです。きっと皆さんもなにも海外旅行ではなくても同様の経験をお持ちではありませんか。人間の記憶とは不思議なものです。何があとあとその人にとっての財産になるのか、一概にこれっという正解はないものです。その場、その時の家族との時間を何よりも大事にする、それが一番です。
皆さんのご家族だけの思い出、危険な目には合わないように細心の注意を払ったうえで、是非とも良い思い出を作ってください。