登山初級者でも東京、神奈川近郊にお住まいの方であれば気軽にマイナスイオンにたっぷり触れることができる場所。

今回ご紹介するのは、箱根の千条の滝と飛龍の滝です。

所要時間3~5時間、標高差約400m。歩行距離約6kmです。またマイナスイオンをたっぷり浴びることができるだけでなく、箱根にはあちこちに日帰り温泉があるので、登山で疲れた体を休めるのに、また日ごろたまったストレスを解消するには本当に良いところです。

ここも、新緑の時期に行っても良し、紅葉の時期に行っても良し、の場所です。多少は山道をあることになりますが、登山というレベルではありませんので、体を動かしたいな、と思われる方であればどなたでも行くことができる場所です。

それでは、箱根の滝巡り進んでいきましょう。

一般的なルートは、箱根登山鉄道の小涌谷の駅から歩き始め、千条の滝を見た後、飛龍の滝に向かい、畑宿バス停から箱根湯本駅に戻ってくるルートでしょう。

箱根湯本から畑宿に向かうバスは1時間に2本程度と本数も多くないこともありますが、体力的にも、飛龍の滝からの植林隊の中を上る道が結構長く披露する場所でもあるので、千条の滝から入るほうが楽に感じるでしょう。

ですが、写真のことを考えると、逆ルートがやはりお勧めです。

理由は単純。

飛龍の滝が晴れている日であれば午後には陰ってしまうからなのです。

一方で、晴れていないのであればあまりルートの向きは気にしなくてもよい、ということになります。したがって、ぜひこのルートも近場ですから、両方からのチャレンジをしてみてください。

それではいよいよ実際のルートの紹介に入りましょう。箱根湯本駅から乗ったバスは、一番便利なのは上畑宿のバス停下車です。

多くの方が畑宿で下車しますが、そのあと少々上ることになります。トイレがあるのは便利ですが、その心配のない方は上畑宿まで乗ってそこから少し戻る形でハイキングコースに入っていきましょう。

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<飛龍の滝ハイキングコースの案内看板>

しばらくは歩くと夫婦桜と呼ばれる桜の大木があります。一応箱根の名勝の一つ、とされていますが、ネット検索で写真を見ることができます。残念ながら私にはあまり興味を惹かれる素材ではないので、夫婦桜の時期を目指すよりも、飛龍の滝の新緑の時期のほうがはるかに好みにあいます。

さて、夫婦桜から登っていき、ルートが左に折れる場所があるのですが、そのまままっすぐ進む細い道がついているところがあります。東京電力の方が設備類のメンテナンスをするためにつけている道だと思うのですが、ある時この場所を通った時にそこに足を踏み入れたことで出会えた1枚があります。

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<飛龍の滝ハイキングコースでの新緑とヤマザクラ(2010年4月29日)>

この時は千条の滝から飛龍の滝に向かうコースを取っていたので、下りかつ午後の時間帯でした。その午後の光が斜面にとてもきれいに周り、まるでその場が光り輝くような気分すら感じるような光景でした。

そこからハイキングコースに戻るといよいよ山道という感じになります。そして30分くらい登っていくと、すっかり山の中に入ってきたな、と感じるようになります。

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<飛龍の滝手前のヤマザクラ(2010年4月29日)>

この時はかろうじて桜が残っていた、という感じですので、もう少し早いタイミングのほうが桜目当てであればよいでしょう。

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そこからもう少し登ればこの標識を見ることができるでしょう。それなりの登りではありますが、ここまでくればもう第一のゴール目前。

ただし、この先は足元に注意してください。

増水時には水が流れていますし、濡れた石の上では思わずツルッということにもなりかねません。

慎重に一歩一歩進めていってください。

そして滝の全貌を見るためには、舗装された場所を超えて、もう少し登っていく必要があります。

何と言ってもここは神奈川県下最大規模の滝。

上段15m、下段25mと二段に分かれているからです。

一方でその形状から、その全体像を1枚の写真に収めることは不可能です。

とは言え、この写真のレベルまでであれば普通の広角レンズで画面に収めることができます。

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<飛龍の滝全容(2017年5月14日)>

ですが個人的にはこの全容をどのように収めるかの工夫より、上段の滝のほうをいかに切り取るかに興味関心があります。

何を主題とするかによってもまた季節によっても、状況は足を運ぶ度に情景が異なります。縦構図が良いのか横構図が良いのかも常に悩みます。是非皆さんもここで自分なりの納得いく1枚を取ってほしい場所です。その分、ここで費やす時間は1時間程度見ていただいたほうが良いでしょう。普通のハイカーの方であれば記念写真を撮ってもせいぜい10分くらいでこの場を離れますが、どこをどう切り取るか、縦が良いか横が良いか、レンズも標準と望遠と、などと変えて撮っていると本当にあっという間に時間が経ちます。ハイキングガイドにあるコース時間からはこの段階で完全に外れてしまいますのでご注意を。

この時の上段の滝をクローズアップした私の1枚はこんな感じです。そしてこの時は横構図でした。別な紙面でご案内する紅葉の時期では縦構図を選んでいます。そちらも見ていただければと思います。

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<飛龍の滝 上段の滝(2017年5月14日)>

個人的にはもう数日早く行きたかった、というところです。新緑がだいぶ色づいていますが、数日前であればもっと淡い色合いを見ることができたはずです。

ただし桜の時期までさかのぼってしまうとだめです。

写真はそもそも午後の逆光の時間帯になってしまっているのですが、それでも色合いは感じていただけるでしょう。一部を除いてまだ芽吹いていないので、新緑の雰囲気が出てこないのです。

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<飛龍の滝 上段の滝(2010年4月29日)>

さてたっぷり飛龍の滝で時間を使って十分満足されたのであればそのまま同じ道を引き返し、箱根の温泉でゆっくりする、というのも一つの手ですが、やはりもう一つの滝も見てほしいと思います。そう千条の滝です。迫力は飛龍の滝と比べてはかわいそうな滝ですが、なんとも言えない風情のある滝です。

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ただし、ここから行くには少々山道を歩かないといけません。そしてこの飛龍の滝からの登りがこの行程の中でもっとも疲労感を感じるところです。なぜかというと、植林された杉林の中を視界のない場所をずっと歩くからです。とはいえ約30分の道のりです。頑張りましょう。

湯坂路入口に到達すれば視界が開けます。そこを右手に折れて鷹巣山に向かって歩いていくことになります。

とはいえ、ここは取りたてて写欲を駆り立てられる場所はほとんどないと思ってください。

鷹巣山まではカメラはザックにしまって先を急ぐのが私の毎回の行動パターンです。

ですが鷹巣山を越えたらまたカメラを取り出します。

特に紅葉期は鷹巣山から浅間山に向かって下る斜面から見る紅葉の木々の色付きはなかなかのものです。よって、新緑の時期もタイミングが合えばとてもきれいな色合いの光景に出会うこともできます。また桜の時期も浅間山斜面に咲くヤマザクラもきれいです。写真に収めるにはなかなか難しい場所ではあるのですが。

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鷹巣山から下るとこの標識に出会います。そのまま真っ直ぐ行けば浅間山のほうへの登りになります。左手に行けば千条の滝への下りになります。

時間と体力に余裕があれば浅間山を回るとよいでしょう。

体力の乏しい私の場合は、左ルートを選択するほうがほとんとですが・・・。

そして左に下るルートで千条の滝までの間では、桜や新緑の時期ではこのような色合いに出会うことができます。とはいえ、なかなか視界が開ける場所はないので、どうしても一部を切り取るだけの写真ということにはなってしまいます。

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<新緑期の鷹巣山から千条の滝までのルートにて>

そして鷹巣山から約40分かけて下るといよいよ千条の滝に到着です。

ここでは正面から狙うより左右どちらかが良いでしょう。いずれにせよ、ここも好みがあろうと思います。自分なりの1枚を狙ってほしいポイントです。

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<千条の滝>

千条の滝が今回の終着地とも言えますが、カメラをザックにしますのはもう少し後になるでしょう。

滝から小涌谷駅方面に向かって歩き出す前に、下流のほうを見ると、そこの木々の色合いもまたいい雰囲気なのです。下の写真は少々新緑が進みすぎていますが、ここも訪れるたびに違った表情を見せてくれる場所です。自然に癒される場所の一つといってもいいくらいです。

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<千条の滝から下流方向を臨む>

そしてもう一か所。小涌谷駅に向かっていく中で、樹林帯から出たあたりで見える斜面の色合いもカメラを向けたくなること必然です。

この写真は桜の時期なので、新緑の時期よりは少々前。新緑が進んでしまうと平板な色合いの斜面になってしまうのですが、箱根の早春の朝早めの時間、つまり千条の滝から飛龍の滝に向かうコースを取る際にはこの斜面はぜひ狙ってほしい被写体です。

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<早春の小涌谷>

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新緑の箱根・千条の滝&飛龍の滝、いかがでしたでしょうか。

登山初心者の方でも十分に堪能できる場所だと思います(それなりの装備は必要ですが)。是非週末にお出かけください。

さて、最後になりますが、このルートは紅葉の時期も私は大好きです。

紅葉編もありますので、ぜひそちらもお読みいただければと思います。