風景写真の愉しみ#11

現在私が撮る風景写真は2つに大別され、そのひとつが新緑です、前々回からお話を始めましたが、前回は日光霧降高原のお話をしてそれで終わってしまいました。

今回は、もっと東京近郊の山での富士山のお話をしたいと思います。

まずはこの一枚はどうでしょうか。

新緑とヤマザクラに富士山を加えた写真を狙いに行ったのは箱根です。

ここを訪れたのは5月6日。

その後何回かゴールデンウイークのお休みの時にここを訪れていますが、毎年微妙に新緑の進み具合が違うことを本当に良く感じることができます。

この時がこの場所への新緑の時期の初訪問でしたが、晴天と富士山ときれいな新緑を見ることができ、本当に清々しい思いになったことをよく覚えています。

富士山を背に進んでいたので、あちこちで歩みを止め、後ろを振り返り、本当にたびたびザックを降ろし、三脚をセットして写真を撮る、ということを繰り返していた1日でした。


下の一枚は、ある坂を上ったところで振り返ると見事に開けた場所で、目の前に新緑と富士山がパッーと広がっていたのです。

ここもその後何回も通っているのですが、この初訪問の時の光の加減、新緑の輝き具合を超える場面にはいまだに出会っていません。

自然の難しさそして素晴らしさもこんなところにあるのでしょうね。


贅沢を言ってはいけませんが、この場所、実は一つだけ「ん~」というところがあるのです。

お気づきになりますか。そうなんです。富士山の真ん前にある山が邪魔なんですよね。

とは言ってもこればかりはどうしようもないですし、その山は有名な金時山。この山の頂上から見る富士山は本当に絶景なので、金時山がなくなってしまうのも困ります。

まあ、そんな妄想は止めにして、先に進みます。


その先目指すのは明神ヶ岳です。

そして、その明神ヶ岳山頂の手前まで来ると、富士山絶景が眺められるところに来ます。下記の写真、出来栄えは別として、どうですか。行きたくなりませんか。

細い道なので、ここで写真を撮っていると他の登山者の方の邪魔になってしまうのですが、でもやはり素晴らしい場所がしばらく続き、特に三脚を持っていっていると、ここもいいと言って三脚をセット。またしばらく進むとここもいい、と三脚を再セット、という感じでなかなか先に進みません。

でもここは本当に紅葉の時期も含めて、風景写真と富士山が好きな方であれば絶対に行っておいてほしい場所です。

多少は山道を登るので体力は必要としますが、電車で箱根湯本の駅まで行き、そこからバスで20~30分程度入ると、登山口があります。登山口も複数あるので、どこから登ってもよいでしょう。

本当にお勧めです。


さて、新緑の話ばかりになってしまっていますが、もともと新緑の世界はヤマザクラ探訪から始まった私のケースですが、5月の訪問時には気づかなかったのですが、違う年のもう少し早い時期に登った時のことでした。

富士山と新緑、そしてさらに富士山の奥にまだ雪の残った南アルプスまで遠望できる日で、新緑の時期にこの明神ヶ岳に登る回数が増えてきた中でも、それまでと違う雰囲気に浸っていました。

新緑自体はそれまでの中で最も早すぎた、という感じで今一歩だったのですが、明神ヶ岳山頂付近で、いつも同様に富士山にカメラを向けた後に、ふと後ろを振り返ったのです。

そしてそこにはこんな光景が待っていました。

そう、ヤマザクラが点在し、とてもきれいな色付きをしていたのです。

そしてこの斜面では新緑の芽も他よりは出ていて、淡いピンクと淡いもえぎ色のコントラスト。

本当にはっとした感じでした。


この時期毎年のように箱根に新緑を求めていっていましたが、また新たな体験を積めた年になりました。そしてそれは4月28日のことです。

その年以降、コロナ禍になってしまい、新緑の山歩きから足がなぜか遠のいてしまいました。コロナ禍中も気にせず山であれば大丈夫だろう、と出かけていたのに。

今年のゴールデンウィークは久々に行ってみようと思います。

本日もお付き合いいただきありがとうございました。

次回は、遠出をして新緑の素晴らしい光景に浸ってきた時のお話をさせていただきたいと思います。

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