JR前橋駅からバスで1時間、群馬県の赤城山に行ってきました。
紅葉に関してはあまり情報量が豊富とはいえず、今まで存在は知っていたものの興味を持つことができずにいた山なのですが、日帰りで行くことができる場所として、そしてアルプス等の山岳地帯の紅葉が終わった後、身近な場所の紅葉が始まるまでの場つなぎとしての候補地に急遽浮上して、行ってきました。
まず、東京から新幹線で高崎まで行きます。そこから在来線(両毛線)に乗り換え前橋まで。
そこから関越交通のバスに乗って1時間少々。東京駅を出発してから途中乗り換えの待ち時間を含めて約3時間。早起きをすることで午前10時には現地につくことができます。剣客の方であれば、赤城山の山々の中での最高峰であり、百名山にも選ばれている主峰・黒檜山に登ることも十分できるでしょう。
実際今回私が行った際にも、前橋駅からのバスは満員のぎゅうぎゅう詰め状態。そして私が降りたバス停ではほかに降りたのは一組だけで、後は皆さん、黒檜山に登るためにもう一つ先のバス停まで行く、という状況でした。
主峰・黒檜山で標高1,828m。日帰り登山としては午前10時スタートであればちょうどよいのでしょう。
天気が良く、紅葉時期にうまく当たれば私も頂上を目指してみたいとは思いますが、今回、黒檜山の斜面の紅葉は決してきれいな状態ではなく(少々時期的に遅かった)、かつ曇天の天気予報でもあったため、パスして無難なルートを選択しました。
行ったルートは、
覚満淵~長七郎山~小沼~地蔵岳~小沼
というコースです。
標高は長七郎山で1597.5m。黒檜山に比べれば低い分、きつさはあまり感じません。むしろ午後になり体力も落ちてきたせいもあるでしょうが、地蔵岳(1673.9m)に登った際にはかなりこたえた、というのが今回の感想です。
そして肝心の紅葉ですが、期待したものとはずいぶん違った写真を撮って帰ってくることになりました。山岳風景の紅葉を期待して出かけたのですが・・・。
さあそれでは群馬県の赤城山の紅葉撮影記、始めたいと思います。
バスを降りてまず向かうのは覚満淵。
草紅葉がきれいな場所です。そして当日の天気予報は晴れのち曇りだったのですが、バスで赤城山に近づくにつれ、どんどん雲の量が減り、強い日差しが感じられるようになっていた中で覚満淵に到着した際にはとても良い天気に。さあ、どこでどのように撮ろう、と思って周回できる歩道を歩き始めました。
まずはこんな風景から。
遠景に黒檜山の斜面が写るのですが、残念ながら色づきが今一歩。天気も良いことだし、もっと良い場所はないかな、と思ってうろうろしていたところ、まずいことにどんどん天気が変わっていきます。そうなのです。雲行きがどんどん怪しくなって来てしまいました。三脚をセットする時間も取らずにとりあえず手持ちで雰囲気だけは収めておこうと思って撮った先ほど掲載した写真が、実はその場所での一番の写真になってしまいました。
撮影時刻は10:30。
なんとその30分後には今すぐにでもぽつぽつ来そうな暗い感じになってしまいました。やはり山の天気、変化が速さに改めて驚きでした。
光がなくなると残念ながら覚満淵の紅葉には興味を抱くことができなくなってしまいました。下記の感じの雰囲気、特に2枚目の下の写真は、これはこれで味わいあるとも言えるかもしれませんが、個人的に期待していたものではありませんでした。
早々にその場を離れ(結局周回遊歩道を半周しただけでした)次の目的地である長七郎山を目指します。
長七郎山までの道のりは、登山道というレベルではなく、極端な言い方ですが、ワンちゃんのお散歩道、という感じです。もちろん傾斜はありますが、息が上がってどうしようもない、というところはなく、実際ワンちゃん連れの家族を何組も見かけました。日頃運動不足を痛感されている方にとってはちょうどよい登山ルートかと思います。
曇天になってしまっていることもあり、残念ながらこの山では三脚を使って写真を撮りたい、と思う箇所には出会うことができませんでした。
頂上では皆さんちょうどお昼ご飯を食べている時間で混み合っていたこともあり、自分もそこで休憩しようか一瞬迷いましたが、すぐさま下ることにして、小沼を目指します。
少々歩いて到着した小沼はようやく写欲が湧く状況でした。木々の色づきがちょうどよい状態でかつまた彩りも豊かなのです。とはいえここも悩むことになったのがどのような切り取り方をしようか、という点です。
沼側を入れ込むか、山側に狙いを定めるか。そしてきれいな色合いが見られるのはどこか。
個人的にはやはり紅葉イコール赤なので、どうしても黄葉よりも紅葉している部分の有無を気にします。
およそ半周して、やはりここの赤が一番きれいだ、と思える場所を選びました。その上でそのポイントをどこからどのように撮るかです。
加えて、やはり人が多い。この人の問題をどうしようか。
始めてきた場所で、前段階の情報を何も持ち合わせていないので、現場でいろいろ悩みます。
ココならよいかな、という場所を何とか見つけ、しばらくそこでたたずみます。三脚もその日初めてセットしました。
でもどうにも人が多すぎて、ピンとくる絵柄になりません。またおひさまの加減も今一歩のままです。天気予報が外れることを願って、いったんそこは撤収で、地蔵岳に向かうことにしました。
先ほど記したように地蔵岳は1673.9m。長七郎山よりは少々高いので、ひと踏ん張りかな、と思って登り始めたのですが、ここは午後になって自分自身の疲れもあったのでしょうか。ビックリするほど息が上がり、きつい、と感じるピークハントになりました。前半部分の階段が結構な段差があってこたえます。加えて残念ながら紅葉ポイントも見つかりません。とりあえずピークには到達した、という意識で終わることになりました。
但し途中、1か所だけ三脚をセットした場所があります。
残念ながらその日の状態では満足いく写真は撮れていませんが、条件が合えばここはじっくり撮影したくなる場所だろうな、というところでした。
ちなみにそこからの光景はこのような感じです。
さて、ここから夕方がどんどん近づき、帰りのバスの時間を気にしながら再び小沼にもどってきました。
かすんだ状況が少し改善し、そして何よりも時間が遅くなってきたことで人出が大幅に減ってきて来ました。
ようやく本日のシャッターチャンス到来です。
(116 mm、f/8、1/30 秒、ISO200)
(170 mm、f/8、1/20 秒、ISO200)
(155 mm、f/8、1/50 秒、ISO200)
(70 mm、f/8、1/250 秒、ISO1600)
午後3時過ぎから4時過ぎにかけての時間帯でした。
天気がよければこの後の時間でも十分よい感じの写真が撮れると思います。
人出はどんどん減っていきますから。
私の場合は、最終バスの時間があるので、この時間がギリギリでした。
最後の撮影が4時15分。ここからバス停まで歩いて無事最終バスで帰路につきました。
小沼の湖面反射の紅葉。鏡面反射と言ってもよいくらいのきれいな映り込みに出会うことができました。風がなかったことがすべてです。 毎回このような気象条件に巡り合うとは言えないわけですから、複数回の訪問を覚悟でこの場所も紅葉絶景の候補地に入れてみてはいかがでしょうか。