■ストックフォトで稼ぐことを目指す!奮闘記#99
前回の続きになります。
売れる写真のためには、自分が撮りたいだけというものでは不十分で、買い手にとっての興味ということを考えよう、という説明をさせてもらいました。
昨年の紅葉の時期、立山黒部アルペンルートにある、大観峰という場所を訪れた際のお話です。
そしてこの写真は、およそ10年前。初めて大観峰を訪れた際に撮った一枚です。
当時はまだフィルムカメラが現役で活躍していたことで、デジカメはあくまでお試し、という感じでした。
確かこれを取ったカメラも200万画素レベルの物(2000万画素ではありませんよ!)。
撮影場所はロープウェイ内です。
当時使っていたフィルムはISO50と超低感度のものだったため、高速で移動しているロープウェイ内からの撮影は完全に諦めていました。
そしてダメもと、で撮ったデジカメの画像のいくつかはアレっと思えるものが写っていたのです。
その一枚が今回ご紹介のこちらです。
意外ときれいに撮れている、というのが第一印象でした。
そして当時のデジカメは、シャッターを押してから実際に撮影されるまでのタイムラグがありました。どのくらいかはもう覚えていませんが、0.5秒くらいはあったような記憶です。つまり動いているものを取るにはレスポンスが悪くて使い物にならない、という状況だったわけです。
そうなると、対向してくるロープウェイを撮るのも、そのタイミングは適当にやってみるしかありません。
エイヤッの感覚です。ましてや持っていたデジカメは普及版(廉価版)でしたから、連写などというものには対応していません。
つまり完全な一発勝負だったわけです。結果オーライの出来、ということでした。
そしてまた、きれいに映っているように感じるのは、彩度の調整の問題です。この写真はカメラ側で自動調整したものをそのままアップしています。RAWで撮影ということすらできなかったカメラだった記憶です(単に知らなかっただけかも)。
今で言えば、JPEG撮って出し、という画像です。
故に、実際の色合いと比べるととても不自然です。ですが時間が経って実際の場面の色合いの記憶がどんどん薄まっていくと、困ったことにこの画像のような色だったかな、という気になってきてしまうのがデジタル写真の怖いところ。
それらのことを肝に銘じながら2021年の再訪時には、今度はデジカメを中心とした撮影をしてきました。
同じようにってくるロープウェイを撮った一枚はこちら。
左右で乗っているケーブルカーが違うためアングルは少々違っていますが。
因みにシャッタースピードは1/640秒で撮っています。
下りの際には、反対側のケーブルカーに乗ることができました。
下っている最中ですので、写っているもう一台のケーブルカーは上っていく最中です。
今度はRAWで撮影していますが、それほど間をあけずにRAW現像していますので、実際の色合いとの乖離はほとんどないはずです。
とは言え、どちらの画像を好むか。
これは、正直趣味の問題で、一概に過度な調整が入っている昔の写真がダメ、とは言い難いところが難しいところであり、また写真の奥深さにもつながるのではないでしょうか。
ですが、そのようなことを考えずに、買い手の立場を考えると、やはりロープウェイは貴重な題材です。
上記のロープウェイ内で撮っている写真だけでなく、駅舎の下からロープウェイを撮った写真も買ってくださる方が現れています。
風景写真ということを考えると人工物は入れたくないな、というのが昔の私のスタンスだったのですが、ストックフォトを始めてから明らかに意識が変わりました。
人工物を入れない写真ももちろん撮りますが、入れたものも積極的に撮っておく、何より現場に頻繁に行けないのですから、限られた撮影時間を目いっぱい使って色々な写真を撮っておきたいものです。
頑張ってたくさんの写真を撮りましょうね。
今日の教訓:現場に出向いたら、とにかくいろいろなシーンを撮っておくことが大事!