【映画】 シン・ウルトラマン 「大人のためのウルトラマン」
一服の清涼剤として見応えのある映画でした。
昔ウルトラマン、ウルトラマンシリーズが好きだった方は是非観に行って欲しい映画です。
しかしお子さんたちにとっては正直難解な映画でしょう。単にウルトラマンが活躍するシーンだけ見たい、ということであれば問題ないのですが・・・。
一方で、ゼットンのことを何も知らない、という方がいきなり見るにはハードルがある映画です。ウルトラマンが、全く歯が立たなかった最強怪獣であった、ということ等は認識の上、観たほうがよいでしょう。
シン・ゴジラ同様、世相を反映した、政治家、官僚へのメッセージも多分に含まれています。その上で製作者側の深淵なるメッセージを感じる映画です。ただし観る人によってその感じ方は様々でしょう。
感動する、涙を流す、というたぐいの映画ではありません。そしてウルトラマンを知らない外国人にも理解はできないでしょう。
それぞれの俳優さん、女優さんの演技もなんともえっ、という感じであったことも否めません。なぜ監督があのような演技をさせたのか、鑑賞後も不可解さは抜けませんでした。
ですが、ウルトラマンを知る日本人のために新たに作られたまさしく「シン」ウルトラマンという映画です。
人間とは何か、生きるとは何か、そのことを考えさせることには多くの人がなろうと信じます。その背景には、国家とは何か、国家権力とは何か、国防とは何か、ということまで意識したうえでの、ということにはなります。
そしてまた科学技術とは何か、ということも考えるきっかけになるかもしれません。
人類滅亡のXデー、そこへの向き合い方、そしてトップとしてのその決断及び国民への周知。映画内では総理大臣が登場しますが、その部分に関する苦悩等は何も描かれていません。ですが、それも含めた、描かれていないことまで考えていくと、この作品方伝わってくるものが変わってくるはずです。
とは言え、堅苦しいことは考えずに、かつてウルトラマンシリーズに少しでもワクワクしたことがある方であれば、老若男女問わず、観ることで非日常を味わい、気分転換になることは間違いありません。
ぜひ劇場に足を運んでください。